昨今の名付けの傾向についての勝手な考察

児童実態

「きょうしろう」と申します。睡眠が浅いらしく、時間を確保している割には疲れが抜けません。枕へのこだわりはかなりある方なのですが、ほかに何に気を配ればいいのか、日夜試行錯誤している現役小学校教諭です。今日のテーマは「名付けの傾向」についての分析です。

かなり長いこと学級担任を続けているので、その時々の流行にも否応なく触れるもの。自分よりもさらに上の年代で流行した名前が「シワシワネーム」なんて呼ばれていたかと思えば、古風な名前がいまの時世で再注目されているなんてことも肌で実感している。

実例を挙げると男子では「しんのすけ」「ゆうのすけ」といった「…のすけ」ブーム、女子では「こはる「こなつ」などの「こ…」ブームがすぐに思い浮かぶ。

教員になったばかりのころ、クラスの男子の半数近くは「…太」だった覚えがある。「た」の表記は「大」だったり「汰」だったりするが、何しろ「しょうた」「こうた」などが大人気だった。

男子ネームを思い返すと「た」止め人気の後は「○○や」「〇〇ま」「〇〇き」という流行の変遷があり、しばらく前から「〇〇と」の人気が根強い。「はると」「ひろと」など、毎年のようにクラスに複数人いる。「止め」の流行で見ると、それほど多くはないものの「だいが」「こうが」などの「が」止めも珍しくなくなっている。いずれにせよずっと共通しているのが「〇い〇」「〇う〇」という3音の名前が人気であるということ。「た」「や」「ま」「き」「と」「が」といった人気の止め字に続くネクストブームはあるのか、勝手に気になっている。

3音の名前以外を見てみると、ずっと昔から一定数いるのが「すけ」である。「…のすけ」になると古風なイメージが増すため逆にいまの流行りとも思えるが「ゆうすけ」「そうすけ」などは時代を問わずに人気が続いている。加えて「れん」「りく」「さく」など、止め字をつけない2音の名前もしばらく前から一定数いる。

女子を見てみると、2音の名前と3音の名前がほぼ半々で、4音はごくごくまれである。2音でも3音でも、人気があるのは「ゆ…」で始まる名前。「ゆい」「ゆめ」「ゆうな」などなど。ちなみに「ゆ」始まりの人気は男子にも共通している。男女ともの統計でとれば、おそらくしばらく前から一番人気だろう。

女子だけで見ると、ちょっと前までは「あや…」の人気も高かった。いや、いまもか。

止め字の面から女子の名前を見てみると「…な」が多いことに気づく。かつては「〇〇こ」「〇〇み」が止め字の代表だったように思うが、それらとは異なり「な」という止め字は前に来るのが1音の場合でも続きやすいという特徴がある。「まな」「みな」などなど。これも流行が続く理由なのだろう。

ということは、女子の名前の一番人気は「ゆ」で始まり「な」で終わるということに落ち着く。「ゆな」「ゆいな」「ゆうな」確かに人気だが、そんなに多いという印象もない。やはり名前のバリエーションは無限大ということか。

しばらく前に世間を賑わしていた「キラキラネーム」という言葉は、このところあまり聞かれない。バリエーションが多岐にわたり、漢字表記のみの名簿では「これ、なんて読むの?」と首をひねることが日常茶飯となったいまでは、多少変わっていてもあまり「キラキラ」しているように思われないのが実状である。願わくば、その名を賜った本人が、ずっとその名を愛せる名前でありますようにというのが、1年間一緒に過ごす担任としての気持ちである。

今回もまた最後までお付き合いいただき、ありがたき幸せです。またお会いできますように。

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