「きょうしろう」と申します。漢字の指導はどちらかといえば得意な方で、自身が楽しみながら継続できている分野です。今回のテーマは、その漢字指導についての提言の2回目。小テストの進め方についての紹介です。
前回の提言でも少し触れたが、この小テストは「10問漢字」と呼ぶことにしている。毎日10字を出題するからである。そのうち8字は昨日と同じ問題であり、新たに追加されるものが、その日に学習した2字となる。
「10問漢字」に費やす時間はきっちり2分間。4月当初はほぼ全員が2分では間に合わないという状態なのだが、GW頃には2分あれば十分という児童が大半になる。まあ、数人は「漢字キライ」を貫いたままであるというのも、毎年のことだが。
先に漢字練習ノートで、初めて触れる新出の2字についての練習を済ませたら、この小テストの準備に入る。ちなみに準備というのは、それ専用の用紙を机の上に出し、名前と日付を書くという作業を指す。
専用の用紙とは、日付と名前と、あとは10問の解答を記入する10の枠があるだけのもので、大きさはA4の用紙を3等分した1つ分となっている。表裏に同じ枠を印刷して使っているため、A4が1枚で6回分ということになる。その用紙をあらかじめ児童個々の机のフックに20枚程度ずつ、リングで束ねて装備しておくようにしている。児童は、そろそろ使い終わるというタイミングで教師のもとに追加分をもらいにくるという流れである。
実際の小テストの進め方は、タイマーで2分間を計り、ピピッと鳴ったら一番後ろの席の児童が、列の子どもたちの用紙を回収して教卓まで運んでくるだけのものである。それを教師がまとめて預かっている間に、漢字係の児童が、ホワイトボードの前で作業を進める。作業とは、その日までに5回の出題を済ませた最古参の2字を消し、札に何も書かれていない状態に戻しておくのである。そしてまた翌日、その白いホワイトボードの札に、新たな2字が追加されるという流れとなる。
放課後、教師は10分間でささっと丸付けを済ませ、正答をすべて黒板に大きく書いておく。翌朝、登校してきた配り係&ボランティアの児童が丸付けの済んだ用紙を全員に配ってくれるので、間違えた字を黒板で確認し、直したものを朝のうちの教師のところに持ってくる。初回で満点だった児童も、朝直してそうなった児童も、扱いは等しく「100点」となる。
朝の時間を使って間違った字を直して再提出するという流れは、正直なかなか全員には定着しない。うまくルーティンになっていく児童は、着実に漢字の知識も興味も増してくるので、そもそも朝の直し自体が必要なくなってくるのだが、そのよさを実感し、継続しようとする児童は毎年半数程度である。あとの半数は、朝の時間を漢字テストの直しに費やすより、ほかのもっとおもしろそうなことに目が向いていく。何か月か経つと、明らかな差が生じてくるので、その前にこちらから「朝のうちに直してもっておいで」の声かけは継続するのだが、むしろ漢字が苦手な児童ほど、直しの作業も敬遠したがるというのが毎年の傾向である。
それでも、最初は苦手意識の強かった児童が、少しずつ書ける字が増えてくるようになり、ついに100点がとれたときのうれしそうな表情は、いつ見てもいいものだと思うし、取り組みを継続することで、漢字の奥深さやおもしろさを知り、好きになってくれる児童が現れるのもうれしくなる。
進め方にも、まだまだ改善の余地はあるだろうが、今後も微調整を重ねながら継続していくことは間違いない。私にとっても楽しめる領域であることも間違いない。
最後までお付き合いいただき、ありがたき幸せです。また、お会いできますように。
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