体育ワークシートのつづり方に関する提言

体育科考察

「きょうしろう」と申します。現役小学校教員です。日々の実践で感じたことや、ライフハック!?と自認している工夫点などをつれづれなるままに投稿しています。今回のテーマは体育におけるワークシートのつづり方についての提言です。

体育に限らず、多くの教科でワークシートを活用する頻度はかなり高い。「生活科ファイル」や「道徳ファイル」「総合学習ファイル」などなど。それらはいわゆるフラットファイルにとじる方法で、特に問題を感じることはないが、体育で使用するワークシートに限ってはかなり異質である。今回はその理由や、手立てについて考察&提言していく。

銘打っておいて申し訳ないのだが、つづり方といっても、実はどの方法にもそれなりのデメリットがあって、いまだ「これが最良!」という方法は見つかっていない。まずはこれまでの教員生活における失敗経験の数々から。

1つめは「とじる」という過程に至らないやり方である。一般的に「生活科バッグ」と呼ばれる首かけひものついたバインダーを利用している小学校は数多い。これまでに赴任した学校はどこも取り入れていた。入学時に個々で購入したものを6年間利用するか、または学校予算で全児童分一括で購入し、必要なとき、児童に貸与するか、過去の赴任校では、どちらも方法もあったが、いずれにせよ生活科バッグは小学生の必需教具の1つである。ちなみに私の地元では、どの学校もこの教具のことを「たんけんバッグ」と呼んでいる。

まあ、とにかく体育時に教師が配付したワークシートは、都度そのバインダーにはさんで首から下げ、グラウンドまで持参するという形をとるというのがパターン1だ。この方法は、個人的にかなりデメリットが多いように思う。まず生活科バッグを配付・回収する時間が毎回必要となる点。また、運動時にそれを首から下げておくわけにはいかないので、授業が始まったら、どこか、おそらくは地面に置いておくことになる。バインダーの弱みで、ちょっと風が吹いたら紙がめくれる。さらに吹いたら外れて飛んでいってしまいかねない。飛んでいかないまでも、風に運ばれた砂ぼこりがワークシートに付着するので、授業の終わりまでにざらざらになっていることもある。そこに小雨でも降ってきた日には、しみや汚れで、もうそのワークシート、見たくありませんという状態にならないとも限らない。

しかもつづることを前提にしていないため、教室に戻った後は、ざらざらでしみのついたワークシートがしばらく児童の机の中にしまわれた状態になる。いざ回収しようと声をかけたときには「先生、どっかいっちゃった」という声が、もう聞こえてきそうだ。教師が都度回収して保管ということも考えられるが、すでに四隅がめくれあがったり、しわくちゃになっていたり、端の辺りがちぎれて面積が2割程度小さくなっていたりするものもある。それを1枚ずつ手でしわを伸ばし、コメントを書き入れるのって、多少心が折れそうになるのも理解してもらえるでしょうか。

そんなわけで、私自身はすぐにバインダーの利用は見送ることにした。

もう1つ考えられるのが、フラットファイルにつづるという方法である。表側に「体育ファイル」と書いて、教室の後ろに一括で保管していることが多い方法である。先に述べた他教科は、ほぼこれで統一されている。この方法でも毎回配らなければならないという手間はかかるものの、多少の風くらいでは飛んでいってしまうことはない。砂ぼこりが舞ったとしても、ファイル自体がカバーしてくれるので、中のワークシートはそれほど汚れない。つづってあるので、四隅がめくれたりちぎれたりすることもほぼない。

だが、時間が経つにつれ、やはり表面のほこりや汚れは次第に目立ってきてしまう。同じファイルを1年間使うとなると、後半はかなりくたびれた状態となる。また、このフラットファイルという教具は、背表紙部分の厚みがあるため、クラス全員分を重ねると、かなりかさばるというデメリットもある。パパッとスマートに回収したいとき、その厚ぼったさがどうにも気になってしまう。

なんとか短時間で配付と回収ができて、1年間の使用にもくたびれない耐久性があり、何より外に持ち出しても汚れない方法はないものかと考え、いま私が取り入れているのが、グループごとに1つクリアファイルを渡すという方法である。ちなみに個々のワークシートは、1枚ずつ台紙にのりで貼り付けてそのクリアファイルに入れておくことにしている。配るときはグループの代表にそのファイルを渡し、あとはその児童がグループのメンバーに個々のファイルを配れば30秒で済む。クリアファイルなので、多少のほこりや雨なら、表面をふき取るだけで済む。全員分集めても、厚みはフラットファイルの5分の1以下で済む。回収も同様に30秒で済むので、毎回集めて所定の場所に保管しておくのもスムーズだ。なにより、回収がスムーズなので「先生、どっかいっちゃった」という事態にならなくて済むのが最大の利点である。

だがこの方法にもデメリットがある。かさばらないので、基本的に現地まで私が持参し、使用の直前に配付するため、児童は「鉛筆を持参しなくちゃ」という意識がない。つまり全員分の鉛筆もこちらが用意しておく必要があるという点である。何度かそれを失念し、結局記入は教室に戻ってからといったこともあった。教員それぞれのやりやすさがあるので、生活科バッグの使用も「ナシ」と断ずるのはおこがましいが、いずれも自分なりに、その方法を選択した理由があってしかるべきだ。「ここが不満」「もっとこうだったらいいのに」という視点は、どんな実践の場でももっていたいと思う。

最後までお付き合いいただき、ありがたき幸せです。また、お会いできますように。

コメント

タイトルとURLをコピーしました